ヴェクトル展「ふだん木の暮らし」のお知らせ

 

建築設計室ヴェクトル代表、一級建築士 倉田政人さん設計の住宅内覧会が、2/22(土)・23(日)に伊那市内で開催されます。

 

倉田さんとは、うちから設計をお願いしたり、また倉田さんが設計した住宅をうちで施工させて頂いたりと、もう15年以上の長い付き合いになりますが、この度、二年前に完成した倉田さんの自宅を開放して、地域材を使った住宅と薪を燃料にした温熱供給システムの内覧会を企画されたとのことなので、是非一人でも多くの方にご覧頂きたく告知させて頂きます。

住宅に使用した木材の多くを地元の木を使っています。若手林業士 金井渓一郎さんに丸太の供給を依頼されて、市内で伐採されたアカマツ、カラマツ、スギ丸太をうちに持ち込み、製材・天然乾燥・二度挽きを経て住宅の構造材として使用しています。

また、高性能ウッドボイラーを導入し、住宅で使用する給湯・暖房全ての温熱を「薪」で賄っている点も大きな見所の一つです。今のところは1軒だけへの温熱供給ですが、将来的にはあと2軒分を賄う計画となっているようで、森林と暮らしが密着しているこの地域だからこそ出来る取り組みで、これから注目の小規模型地域熱利用の先駆け的な事例ではないでしょうか。実際に1年半稼働させてみた結果もとても興味深いところです。興味がありましたら是非お気軽にお越しください。

 

 

 

 

明けましておめでとうございます

 

2020年元旦の朝は氷点下7℃とこの冬一番の冷え込みとなりましたが、雲一つない快晴の青空の下、新たな年の幕開けとなりました。この穏やかな空のように、2020年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。

 

 

さて昨年は災害の多い年で、ここ伊那市でも台風19号による強風被害が相次ぎ秋から冬にかけては屋根や外壁の改修工事に明け暮れた2019年でした。幸い大きな改修工事を何とか年内に区切りを付けることが出来ましたのも、また現在新築中の物件が暮れの慌ただしい時期ではありましたが天候にも恵まれ無事上棟を迎えることが出来ましたのも、製材所のスタッフと職人の皆さまのご苦労と、そして有賀製材所を支えてくださった多くの皆さまのお陰でありました。

そして何より、有賀製材所へ仕事を依頼してくださった多くのお客さまに心より感謝を申し上げます。時には工期に時間が掛かったり、お待たせしてしまうこともありますが、本年も心を込めて丁寧な仕事をさせて頂きますのでどうぞ宜しくお願いします。

 

毎年暮れは、年末の挨拶回りでバタバタするのですが、昨年末は250軒近くある挨拶回りの内、約1/3を経理(姉)の信子さんが担ってくれました。当初は「暮れの挨拶回りくらいは自分が行かなければ」という思いもありましたが、結果的には例年より精神的にも時間的にも余裕のある年末となり大変ありがたかったです。挨拶回り先でも時間に追われることなく久しぶりに話が出来たお客様も沢山おられて、誰かに頼ることも時には必要なことだと実感した次第です。2020年、目の前の人にも感謝の気持ちを忘れずに日々の仕事が出来たら良いなと思っています。

 

 

大晦日の夜は久しぶりに紅白をテレビで見ました。歌番組というよりバラエティー番組か?と勘違いしたくなるようなごちゃごちゃした演出にちょっと戸惑いましたが、そんな中でも竹内まりややユーミンの出場にはビックリ! 二人とも年を重ねて素敵な歌声でした。ミーシャ、スーパーフライ、氷川きよしの迫力ある歌唱力にも脱帽!あと個人的にはビートたけしの浅草キッドも良かったなぁ。 今年も好きなドラマを見て、好きな音楽を聴いて、好きな本を読む、そんなちょっとした時間と気持の余裕を少しでも持ちながら仕事にも子育てにも地域の役員にも頑張りたいと思います。

本年もどうぞ宜しくお願いします。 有賀製材所 有賀真人

 

 

 

 

長和町小林木材(株)様へ見学

ちょうど1ヶ月ほど前になりますが、長和町にある小林木材(株)さんへ、製材所の見学に行ってきました。

小林木材さんはカラマツ材をメインに製材する、県内でも有数の製材所です。http://www.koba-moku.co.jp/

 

うち(有賀製材所)も、かれこれ30年、カラマツ材を積極的に扱ってきただけに、他の製材所がどんな風に製材しているのかとても興味がありました。

場所は、伊那から行くと和田峠を越えた向こう側(旧和田村)にあり、周りを緑に囲まれた自然豊かな所です。

事前に社長に電話で見学の申し出をした際には、「いやー うちなんかに見学に来てもあんまり見るとこはないよー(笑)」何ておっしゃっていましたが、実際に行ってみると何棟もの工場・社屋が建ち並び、あちこちに立派な信州産カラマツ丸太がゴロゴロと積み重なっていて、のっけから興味津々の我々スタッフたち。

 

早速小林社長が出迎えてくださり、工場の中を案内して頂きました。

現在の小林基英社長は2代目で、息子さん、その他十数名の従業員と共にカラマツ材をメインとした製材、請負、様々な製品の製造を行っています。

カラマツの構造材(梁・桁材)

うちは構造材に関しては天然乾燥主体でやっていますが、小林木材さんは木材乾燥機3台をフルに活用して、より安定して乾燥材を供給出来る体制が整っています。

 

上の写真は木材乾燥機へ熱源を供給するためのウッドボイラー。以前は燃料に灯油を使っていた時期もあったそうですが、工場から排出される端材や木の皮などを燃料とすることで、今では灯油を使わずに24時間体制で木材乾燥機を稼働させているとのこと。この徹底ぶりは実はスゴイ事で、なかなか真似できません。

 

 

 

戦前から戦後にかけて、成長が早いという理由で特に長野県内では積極的に植林されたカラマツですが、ねじれやヤニの問題、更には海外からの外材に押され、世間一般的には、” カラマツなんて ”と言われ、建築用材としては敬遠されることの多い材でした。

でも本当は大変優れた木なのです。赤身の美しい木目、優れた木材強度と耐久性は他のどんな木材にも負けません。カラマツの欠点と言われる「ねじれ」も、上の方の写真にあるような大径木であればそれほど心配なく使えます。

最近はカラマツの需要が増えてきて、特にここ数年で全国の合板工場がこぞってカラマツ材を仕入れるようになりました。合板とはいえ建築用材としてのカラマツ需要が増えるのは悪くないことですが、でもやっぱり我々製材所を営む者からすると、出来れば無垢の木材を使いたい、使って貰いたい思いが強いのです。

うちも長いことカラマツ材を扱ってきましたが、小林木材さんでも同じように、イヤうちよりももっと多くのカラマツ材を積極的に扱っている姿勢に大変心強いものを感じました。そして、普段よその製材工場を見ることが少ない我々にとって、色々と刺激を受けた見学会になりました。

 

最後に小林社長(右から2番目)と記念写真。とても気さくな社長で、じっくりと時間を掛けて会社内のあちこちを丁寧に案内してくださいました。お忙しい中にもかかわらず気持ち良く迎えてくださり、本当にありがとうございました。

有賀製材所 有賀真人

 

 

 

フジ棚(ノギ 丸山健太郎さん制作)

 

最近お付き合いするようになった若い庭屋さんにお願いして

会社の敷地内にフジ棚を新しく作ってもらいました。

 

 

 

長い間手入れをせずに、伸び放題だったフジの蔦を

この夏に思い切ってバッサリと剪定してもらったのですが、

葉が落ちてすっきりしたこの時期にフジ棚を作ってもらいました。

 

作ってくれたのは「ノギ 丸山健太郎」さん。

東京で庭仕事の修行をされて、

最近故郷の伊那谷に戻ってこられた若い庭屋さんです。

ちなみに「ノギ」というのは屋号だそうです。

 

庭屋さんなのですが、小屋やフジ棚など、

ちょっとした木造の構築物を、

細目の部材を使って美しく組み上げてくれます。

大きな部材を使わないということは、

材料費が低く抑えられるということでもあります。

 

 

 

75mm角の柱を4本

土の中にコンクリを流し込んで埋め込んであるのですが、

土と接する柱の周りも、腐りにくいように

モルタルで根巻きしてあります。

 

 

一般的にはコンクリート製の基礎石を使ったり、

腐らないアルミ製の支柱を埋め込むことが多い中、

あくまでも木造に拘り、かつ長持ちする工夫を凝らしながら、

すっきりと洗練されたデザインで仕上げてくれるあたり、

さすが東京で修行してきただけあります。

 

最近は事務所周りの植栽の剪定などもお願いしているのですが、

若いセンスで自然に仕上げてくれるので、とても助かっています。

 

住宅を建てる仕事をしていても、

庭造りの方はおろそかになってしまいがちで、

ついついお客さん任せにしてしまうことが多いのですが、

もし庭のことでお困りのことなどあれば、

是非一度相談してみてはいかがでしょうか。

 

不思議なもので、庭木一本植えるだけでも、

家の見栄えが全く違って見えてきます。

 

 

ノギ・丸山健太郎さん(写真左)

連絡先 080-4681-5678 伊那市美篶

庭に関するお問い合わせ、是非お気軽にどうぞ。

 

 

因みに、右に写っているのは、

最近新しく有賀製材所に入ってくれた塩原さん。

お父さんが大工さんということもあり、

小さい頃から木に囲まれた生活だったそうですが、

自身は木とは関係ない仕事を長いこと勤めていました。

40代になったのを機に、木の仕事がしたくなったということで、

縁あって製材所の仕事を一緒にしてくれることになりました。

 

誰とでも気さくに打ち解けられる性格で、製材所の雰囲気が

今まで以上に更に明るく元気になりそうです。

製材工場や現場などでお行き会いすることがあると思いますが、

今後共どうぞ宜しくお願いします。

 

有賀製材所 有賀真人